キャラ入り文具はなぜダメなのか?

齋藤:ランドセルは非常に高価です。10万円近くします。

──30万円台のものも見たことがあります。

齋藤:ランドセルのメーカーに恨みがあるわけではありませんが、私は他の選択肢があってもいいと思います。遠足がランドセルであってはならない理由もないし、通学がランドセルでなければならないこともありません。各生徒・各家庭が、状況に応じて自分で柔軟に考えるべきだと思うのです。

──学校ではキャラクターの描かれた文房具の使用も禁じられることが多いと書かれています。

齋藤:キャラクター文具の使用の是非について私が書いた記事が、2月に「Yahoo!ニュース」に掲載されました。「キャラ入りいいじゃん」「選択肢だよ」というキャラ入り文具を是とする考えが大半だと私は予想しました。

 ところが、「貧しい子もいるのに、格差を生むような提案ってどうなのか」「そういうことを言う教員がいるからクラスでいじめが起きる」「キャラ入りのせいで落ち着きがなくなって成績が落ちたら責任とれるのか」など、印象からするとコメントの9割程度はキャラ入り文具に対して否定的でした。

 学校には否定的な見解がこれまで多かったのですが、それが通るのは、社会にも同じ考えの人たちが結構多いからでしょう。

 子どもたちは実際のところ、学校のために地味な文具を用意して、家ではキャラ入りを使っています。ある保護者の話では、家でキャラ入りを使用した結果、子どもが喜んで勉強をしているそうです。家でキャラ入りを使っても、皆さん宿題をやってきますから、キャラ入りだと出来なくなるという主張は信憑性がないと思います。

──学校が生徒の髪型に非常に敏感になりがちであると書かれています。かつては「茶髪」、今は「ツーブロック」など、問題となる髪型は時代と共に変わってきているようですが、なぜここまで髪型が問題になるのでしょうか?

齋藤:「髪型の乱れが心の乱れ、心の乱れが生活態度の乱れ」「1人の生活態度が乱れると学年・学校が崩れる」という恐怖と幻想があるのだと思います。サザエさんのタラちゃんはツーブロックですけれどね。

──純真キャラの代表ですね。