そもそもビッグマック指数はどう始まった?
ビッグマック指数を考案したのは英国の有力経済誌「The Economist(エコノミスト)」で、1986年9月6日号が最初だったとされています。「On the hamburger standard(ハンバーガー基準について)」と題するこの記事は、こんな書き出しで始まっています。
「グルメにとっては少し憂鬱(ゆううつ)な話題かもしれないが、マクドナルドの『ビッグマック』ハンバーガーは、お金の価値を比較する新たな基準になるかもしれない。なにしろ、ビッグマックは世界41カ国で販売されているのに、レシピにはほとんど変更はない。それは各国の物価を比較する上で、大いに役立つはずだ」
記事はユーモアにあふれています。それによると、このビッグマック指数(当時は「ビッグマック購買力平価」と表現)を検証するため、エコノミスト誌の各国特派員たちはハンバーガーをむさぼり食ったそうです。ワシントンではビッグマックは1.60ドル。これに対し、東京では「マクドナルド特派員」が1個370円=2.40ドルでビッグマックを購入しました。
その結果、ビックマックの価格を基準にした円とドルの交換レートは「1ドル=231円」となりました。ところが、当時の外為市場は「1ドル=154円」。つまり、ビッグマックの価格を基準に考えると、「ドルは円に対して過小評価されている」可能性があると、この記事は伝えたのです。同様にして、記事では英国やドイツなど各国の通貨を比べていきました。
このようにして導き出されたビッグマック指数は、その数値が高ければ高いほど、その国の通貨の購買力が高いという解釈になります。