日産は国内生産の一部を米国に移管できるが…

細川:米国市場におけるブランド力によっても、取るべき企業戦略には相当な差が出てくるでしょう。日産自動車の場合は米国工場の稼働率が低かったので、日本の生産分を一部米国に移すことが可能ですが、すでに米国工場の稼働率が高いメーカーには生産を移管する余地がないということになります。

 関税の負担を国内のコスト削減でまかなうか、あるいは関税分の価格を上乗せして米国で販売するかは各社の戦略次第です。米国でのブランド力の差もあるので、一律な議論ではなく、個々の企業で見ていく必要があります。

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