なかには両親(アイバオとローバオ)、フーバオ、双子の妹(ルイバオとフイバオ)からなるバオ一家の一員としての愛称「カンバオ」と呼ぶ熱狂的ファンも。劇中では彼らの仲の良さが微笑ましく伝わってくるアニメーションまで盛り込まれている。
重なる不幸
YouTubeチャンネルではパンダと世話をする飼育員たちの日々が配信されている。フーバオと飼育員たちが本物の家族のように支え合う姿にコロナ禍、多くの人々が癒されたという。

飼育員歴37年。パンダ担当として12年。おじいちゃんといっても1969年生まれのカン・チョルウォン氏。孫のように可愛がっていたフーバオとの別れが迫る中、自身の母親が亡くなるという不幸が重なる。
遠くに住む88歳の母親とは毎日のように電話で話していた。内容はフーバオの話が中心。いつまでも子どものように自分の身を案じる母親の愛に触れ、応えるように家族として、フーバオに接していたに違いない。チョルウォン氏のぽっかり空いた心の穴の大きさは計り知れない。