©2023 WIEDEMANN & BERG FILM GMBH / SEVENPICTURES FILM GMBH
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100人に1人が自閉症スペクトラム症

 電車内やバス停、公共の場所で「座りたい」「お腹が空いた」と周りを気にせず、大きな声で騒いでいる子どもを見て、「なんてわがままなんだ」「どういう教育をしているのかしら」と思ったことはないだろうか。もしも親がそばにいるのなら、「どうして叱らないのか」「躾がなっていない」と考えたことはないだろうか。

 今や子どもの約100人に1人が自閉症(スペクトラム)とされる時代。彼らは人の心の動きがよくわからないため、人間関係が上手く作れず、集団になじめない。

 独自の強いこだわりを持ち、変化を嫌うため、急な出来事に対処したり、新しい環境に適応したりするのが難しい。それはまるで地球の基準で暮らさなければならない異星人のよう。

 パニックを起こす本人はもちろん、家族も苦しんでいる。が、周囲には理解されず、勝手な子どもに見えたりする。

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『ぼくとパパ、約束の週末』にも同様のシーンがある。息子を守ろうと向かっていく母親。息子を庇おうとその場を去る父親。対処法はそれぞれだが、どちらも息子を深く愛していることに変わりない。

『ぼくとパパ、約束の週末』は自閉症の息子ジェイソンとその父親のミルコがジェイソンの“推しチーム”を探そうと、週末ごとにドイツ中のサッカー・チームの試合を観て回る物語。実話が元になっており、ドイツでは100万人動員のNo.1ヒットを記録した。