母の小説を原作に、娘が監督として映画化

「この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ」

 人生が終わってしまった人々の前に現れる「とりつくしま係」。人生のほんとうの最後に、モノとなって、大切な人の側で過ごせるという。

 誰も予期できない自分の死。突如、この世とあの世の間に放り込まれてしまった人を案内するのが「とりつくしま係」である。

©ENBUゼミナール
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 作家・歌人の東直子が書いた同名小説を、娘である東かほり監督が映画化した『とりつくしま』。

 映画ではその「とりつくしま係」を小泉今日子が演じている。小説では抽象的だった「とりつくしま係」の存在だが、小泉今日子の語り、佇まいがぴったり。まるで小学校に上がってきた1年生を見守る校長先生のように、時に優しく、時にシビアに、死んだばかりの人々に寄り添う。

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