写真提供:北海道ファンマガジン/共同通信イメージズ、日刊工業新聞/共同通信イメージズ

 成熟期を迎えたホームセンター業界で、成長戦略の軸が変わり始めている。市場規模は横ばいが続く一方、プロ向け専門店の拡大や都市部での新業態出店、業界再編の動きが加速。従来の郊外型総合モデルだけでは収益を描きにくくなり、各社は業態の再定義を迫られている。この変化は、ホームセンターという業態をどこへ向かわせるのか。業界構造の変化と今後の行方を、流通科学大学商学部教授の白鳥和生氏が読み解く。

横ばい市場と競争環境の変質

 ホームセンター業界では、売り上げが4兆円前後で伸び悩む一方、プロ向け専門店の拡大や都市部への新業態出店、さらには再編の動きが一気に活発化している。コロナ禍で膨らんだDIY(日曜大工)需要は落ち着き、既存店売り上げは横ばい圏に戻りつつある。

 しかし郊外では依然として出店が続き、ドラッグストアや100円ショップ、電子商取引(EC)との競争は厳しい。業界関係者の間では、成熟期を迎えた市場で、従来の業態モデルだけでは成長を描きにくくなっているという認識が共有されつつある。

 だからこそ、各社が今取り組む戦略の方向性は、これまでとは明らかに異なる。業態の再構築を前提に、次の成長機会を探る局面に入っているのである。