中国から色よい返事をもらったショイグ

 ショイグ書記は、まず北京へ飛び、2月28日に習近平主席と会見した。続いて平壌に飛び、3月21日に金正恩委員長と会見した。

2月28日、北京を訪問し人民大会堂で習近平主席と会談したロシアのショイグ書記(写真:新華社/アフロ)

 まずは、習主席の承諾を得たからこそ、平壌へ向かったと見るべきだろう。平壌での会見については、3月22日付『労働新聞』(朝鮮労働党中央委員会機関紙)が、こう記している。

〈(両者の)談話では主に、両国の安全利益と国際的正義を守護するための重要な問題、地域及び国際情勢に関する両国指導部の見解と意見を広く交換し、完全一致の立場を確認した〉

 何ともイイ感じなのである。24日には、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官が、ショイグ氏の訪朝について、前向きな見解を述べた。

「金委員長はロシアを訪問するための有効な招待状を、すでに持っている。訪問の時期は、外交ルートを通じて合意されるだろう」

思えば、プーチン大統領はすでに金委員長に、大統領専用車「アウルス」を2台も贈呈している。それならば、自らの大統領専用機を平壌まで出して、金委員長を迎えるという手段もあるかもしれない。

 いずれにしても、5月にモスクワに、プーチン・習近平・金正恩が「三者揃い踏み」となれば、これはスターリン・毛沢東・金日成という前世紀の「冷戦初期の風景」の再現となる。