「ポーランドは欧州における模範的な同盟国」

 ピート・ヘグセス米国防長官は2月、外遊先のワルシャワで「欧州における2国間外交の最初にポーランドを選んだのには明確な意図がある。ポーランドは欧州における模範的な同盟国だ。自国の防衛だけでなく、われわれの共通の防衛にも投資する意思がある」と持ち上げた。

ピート・ヘグセス国防長官(写真:AP/アフロ)

 ポーランドの国防支出は北大西洋条約機構(NATO)目標の国民総生産(GDP)比2%を2倍以上上回る4.7%に達している。「外交は重要だが、最終的には銃弾や戦車、ヘリコプターといったハードパワーが物を言う」とヘグセス長官は強調した。

 ポーランドは同盟の誓いとして米国主導のイラク戦争で25人が命を落とした。2023年、米軍はポーランド西部ポズナンに初の陸軍駐屯地を開設し現在、約1万人の米軍が同国に駐留する。NATO東側における指揮統制能力を強化する役割を担っている。

 ポーランドのレヂコヴォにある米軍のミサイル防衛(MD)施設は昨年11月、正式にNATOに移管された。ヘグセス長官は「欧州のNATO加盟国が自国の防衛能力を強化することが重要だ。なぜなら米国の存在が永遠に続くという前提は成り立たないからだ」と釘を刺した。