現場で起き始めた化学反応

 NTT東日本は2024年からNTTグループのテルウェル東日本とタッグを組み、「NTT東日本Sports Club」の運営を開始した。野球部は千葉県船橋市の室内練習場で、バドミントン部は東京都調布市の体育館で、地元の小・中学生を指導している。

 シンボルチームとして、社内の一体感醸成だけではなく、社会へ貢献しながら少しでも収益化できないか。そう考えて、NTT東日本Sports Clubのスクール事業を立ち上げました。私は週2日、合計で約40人の小・中学生に野球の指導をしています。

 私たちはスポーツに関するいろいろなノウハウを持っていますが、それだけでは何もできません。

 私は人と話してつながるのが得意なので、デジタル技術やスクール運営のノウハウを持った人と手をつないで、化学反応を起こすことにワクワクしています。

 会社や社会に貢献しながら、野球やバドミントンを楽しんでいる子どもたちの笑顔を見るなんて、最高にうれしい仕事です。これも野球で多くを学んだおかげだと思っています。

飯塚智広(いいづか・ともひろ)
1975年千葉県鎌ケ谷市生まれ。二松學舍大附属沼南高校ではエースとして2年夏の千葉大会で準優勝。亜細亜大学では外野手として東都大学リーグのベストナインを2度受賞。4年春にはリーグ連覇に貢献して最優秀選手となり、大学選手権で準優勝。大学日本代表として日米大学選手権に出場した。1998年にNTT関東に入社。日本選手権で初優勝に貢献して優秀選手となる。翌年からNTT東日本に転籍。2000年にはシドニー五輪の日本代表としてプレーした。2007年に現役を引退。2009年からNTT東日本のコーチとなり、2014年に監督に就任。2017年の都市対抗野球大会でチームを36年ぶりの優勝に導いた。2022年からNTT東日本シンボルスポーツ担当課長。同年よりNHKの高校野球中継の解説者を務めている。著書に『やってみよう野球』『野球IQを磨け! 勝利に近づく観察眼』(ともにベースボール・マガジン社)がある。

佐伯 要(さえきかなめ)
1971年和歌山県生まれ。早稲田大学人間科学部卒業後、16年間のスポーツメーカー勤務を経て、2009年にスポーツライターに。「取材の量と原稿の質は比例する」をモットーに、野球を中心に取材・執筆している。著書に『1980年早実 大ちゃんフィーバーの真実』(ベースボール・マガジン社)がある。