
(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)
2月中旬に明らかになるとされている、ホンダ・日産の経営統合「破談の真相」。気になるのは、破談後の三菱自動車を含めた3社の事業戦略の行方だ。
騒動のさなか、ホンダは北海道で最新ハイブリッド技術「次世代e:HEV」に関する雪上試乗会を行った。外部からの参加者は限定されており、ホンダの技術全般についてざっくばらんな意見交換ができた。
その中で改めて感じたのは「ホンダはいま、企業として本気で変わろうと、もがいている」ということだった——。
本州の日本海側は大雪に見舞われていたが、旭川市街地の積雪量はこの時期としては少ない。この半月前にも筆者は所用で旭川にいたのだが、その時よりもさらに雪が少ない印象だ。

ただし、目的地である旭川郊外の鷹栖(たかす)町にあるホンダの研究開発拠点「鷹栖プルービンググラウンド」は、ホンダ関係者によって丁寧にコースが整備され、走りやすいスノーコンディションに仕上がっていた。
敷地は東京ドーム167個分もあり、ドイツのアウトバーンを想定した高速周回コースやドイツのニュルブルクリンクをモデルとしたワインディングコース、そしてロサンゼルスの坂道を再現したUSコースなど、世界各地の走行条件を想定した「ホンダの走り」を鍛える場である。
今回は、ホンダが冬季テストを行う1周2.7kmのワインディングコースを走った。
場所柄、企業機密にかかわることも多く、今回は今秋発売予定の新型「プレリュード」と、ホンダが「次世代 小型 e:HEV コンセプト AWD」と呼ぶSUV「ヴェゼル」に仮装した実験車両の雪上試乗を行った。