
(井上 久男:ジャーナリスト)
日産自動車とホンダが進めてきた経営統合交渉の破談が確実な情勢となった。関係者によると、日産が2月3日に開催した執行役員以上が集まる会議で、「自力再建」を目指すことを決め、ホンダにその意向を伝達した。
5日午前に日産とホンダは個別に経営会議を開催し、この問題について議論した。5日午後に開催された日産の取締役会では、昨年12月23日に締結した経営統合交渉に関する覚書の撤回を了承したと見られる。
こうした状況を受けて両社の経営陣が6日に面談し、EV分野での協業は今後も続けるのか、いったん経営統合交渉は打ち切るが、仕切り直して再交渉に向かう余地はあるのか、といった今後の両社の関係の在り方について議論する方向だ。
日産とホンダは昨年12月23日、共同持ち株会社設立による経営統合交渉に入ることを発表。その際にホンダの三部敏宏社長は「経営統合を決めたわけではなく、本日以降議論を深めていく」と説明し、今年1月末までに、経営統合に向けての方針を決める予定だった。
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ところが、年明け以降の交渉で、ホンダが日産に対して、共同持ち株会社による統合ではなく、ホンダによる子会社化を打診したことに対して日産が反発。これを受け、方針決定は2月中旬頃に持ち越されることになった。2月13日には両社の24年4~12月期決算発表が予定されており、その前には結論が出ると見られた。