
会見前の「ブリーフィング」でルールを伝える重要性
謝罪会見のシナリオは以下の手順で書き上げるものだ。
0:ブリーフィング(事前説明)
1:挨拶(司会者や登壇者自己紹介)
2:謝罪(この日の会見のトップより)
3:経緯(原因 担当者より)
4:再発防止策(トップなり担当者より)
5:賠償(話せることがあれば話す)
6:質疑応答(質問は100も200も想定して返答を誰がするかも決める。場のムードも読む)
7:最後に再度謝罪(総括も含めてトップより)
8:締めの挨拶(司会者)
9:ぶら下がり(アフターケア)
実は重要なのが「0:ブリーフィング」だ。会見が始まる少し前に、司会者が先立ってこの日の会見の概要や進行内容、出席者などを集まっているメディア陣に伝えること。その後、その日のルールをはっきりとさせること。ルールを伝え、釘を差しておくことによって、「ガヤ記者」「野次馬記者」の出現を周りの記者も制してくれる。
なおこのルールとは「質問はメディア1社から1人」「1人の質問は2つまで」「同じような質問は遠慮していただく」「この会見は記者の方の意見や感想を話してもらう場ではない」などを伝えることだ。「持論はそれぞれのメディアで発表ください」ともはっきり言えばいい。
ここである意味、中身や進行を説明しておくことで記者は質問する内容も前もって整理できる。今回で言うと「第三者委員会の調査の後でないと伝えられないものにはどういうものがある」というのも会見に先んじて伝えるのだ。
そんなルールを強く伝えられていなかったにしろ、今回「通販新聞」佐藤記者の「一応、手を挙げた人が質問するというルールになっているので、そこは守ってください。静かにしてください、マジで」が、この日のMVP記者とも言われる所以である。