司法記者が言う。

「警察は今回出廷した売人の存在に気付いて事件の半年後に逮捕していました。その事実を被告が知ったのは彼女が逮捕されて起訴された後の公判前整理手続きだったと思われます。果たして覚醒剤を買ったのか否か……。どのように証言したらいいのか被告は悩んだのではないでしょうか。11月11日午後の検察側質問で事件直後の警察の事情聴取のときに『そのことを言わなかったのはなぜですか?』と突っ込まれてしまいました」(司法記者)

早貴被告「言ったらどうなるか分からなかった。人殺し扱いだったし、言ったらどうなるか怖くて」

検察「説明すればよかったのでは?」

早貴被告「信じてもらえるとは思わなかった。刑事たちの間でストーリーができているんだなと思って言えなかった」

検察「(任意で捜査を受けていた時期に)弁護士に警察との間に入ってもらっていた。そのときは?」

早貴被告「弁護士にも言っていません」

アプリコにあった着信の謎

 マコやんは、もう一つ、見落とされている重要な“事実”があるという。

「社長が亡くなった当日の午後7時半、社長の携帯からアプリコに2回電話があったんです。これは記録に残っています。しかし、そのこと自体、あり得ないことなんです。

 実は2017年2月、社長の自宅に強盗犯が押し入ったことがありました。そのときでも社長は自分の携帯から私の携帯に、『強盗に襲われたんです。(自宅に)来てもらえませんか』と連絡をしてきました。私の携帯に電話をしてきたのは、アプリコの事務所は午後6時には従業員は全員帰宅して誰もいないことを社長は熟知していたからです。普段から夕方以降の連絡は直接携帯に来ていました。つまり夜の7時半にアプリコに電話をするワケがないんです。あまりにも不自然なんです。

 その時間帯に自宅にいたのは早貴被告と社長だけ。となると早貴被告が、何らかの目的で社長の携帯電話を使ってアプリコに電話をした可能性もあるのではないかと思うのです」