「政治屋」が紛れ込む可能性がないとは言えない

 石丸氏が一掃したい「政治屋」とは、訳の分からない力学で議員となり、長期間議席にしがみつく党利党略・自分ファーストの利権屋とでもいう存在だろうか。新党(政治団体)の掟は2期8年で、都政の利権構造に精通した頃には辞めるのだから、少なくとも新たに当選する「再生の道」所属の政治屋はいなくなる。

 問題は、都議会127議席での多数派を目指すわけでもなく、自民・公明・都民ファーストで現有80議席の過半数割れ(63議席以下)を狙うわけでもないとしながら、自民から共産まで現職は党派を問わずノーチェックで新党に受け入れる方針だ。数の確保には好都合だが、選挙目当ての「政治屋」が紛れ込む可能性がないとは言えない。

 折しも都議会自民党(政治団体)のパーティ収入等約3500万円と支出約2800万円の不記載が立件された。都議1人当たり100万円のノルマを超えた分が中抜きされたもの。自民議員25人が関わったものの、起訴されたのは会計実務を担う職員のみ。しかし、自民党内には公認の是非を含め激震が走っている。

職員が略式起訴された裏金事件に関する記者会見の冒頭、謝罪する東京都議会自民党の政治団体「都議会自民党」の小松大祐幹事長(中央)ら幹部=17日夜、東京都庁(写真:共同通信社)職員が略式起訴された裏金事件に関する記者会見の冒頭、謝罪する東京都議会自民党の政治団体「都議会自民党」の小松大祐幹事長(中央)ら幹部=17日夜、東京都庁(写真:共同通信社)

 石丸氏の会見ではさすがに不記載議員の受け入れまでは肯定しなかったが、自民現職は離党せずに「再生の道」公認となれる。当選後は党議拘束がないので自民会派と同じ投票行動が可能だ。