異例の厚遇の背景にあるのは?
それにしても今回の首脳会談は、安倍首相への異例とも言える厚遇が目立った。
ホワイトハウスの会談では、報道されている限り、日本に無理難題を突き付けてくることはまったくなかった。日本の財界からも、国民の間からも、「ほっとした」という感想が聞こえてくる。率直な感想であろう。
その後はフロリダに場所を移し、2人でゴルフに興じた。なぜ、これほどまでのもてなしが行われたのか。
1つには、各国首脳がトランプ大統領との間合いの取り方に悩んでいる時に、安倍首相がためらいもなく当選直後に会いに行って祝意を述べ、大統領就任後はイギリスのメイ首相に続いて2番目に訪問したことがあった。
安倍首相がこういう選択をしたのは、当然のことであった。安全保障でも、経済分野でも、日本はアメリカとは切っても切れない関係にある。このアメリカと良好な関係を構築しようとするのは、日本の首相として当然のことである。
他方、トランプ大統領にとっても、国内外から入国禁止令などによって、厳しい批判にさらされている中で、G8(主要国首脳会議)の中でもいまや古株になっている安倍首相と親密な関係を築くことは、他国首脳に影響を与えることができるという計算があったはずである。