アフリカ域外でも確認された強毒型

 2024年(11月まで)、アフリカ域外の国での感染者の確認数を見ると、次のようになっている。

国名 確認された感染例数
米国 2532
ブラジル 1740
オーストラリア 1266
スペイン 691
中国 628
カナダ 365
英国 271
ドイツ 240
フランス 200
タイ 180
コロンビア 132
オランダ 125
アルゼンチン 101
サウジアラビア 95
イタリア 90
ベトナム 88
フィリピン 47

 なお、同期間に日本では20人が確認されている。

 ほとんどは従来のクレード2である。もともとアフリカで発生していたウイルスはクレード2aとされ、アフリカ域外に広がったウイルスはクレード2bと分類されている。

 こうした状況の中で脅威なのが、強毒型とされるクレード1がアフリカから流入し始めていることだ。

 クレード1はもともとコンゴ民主共和国で発生していた1aと、新たにアフリカ東部で発生した1bに分けられる。その1bが、2024年8月にスウェーデンとタイで確認され、9月にインド、10月にドイツ、英国、11月に米国で続々と確認された。さらに、冒頭で紹介した通り、2025年1月に中国でも確認された。

 それぞれの人数は少ないが、2024年の状況を踏まえると、従来型のクレード2bが既に多く確認されている中にクレード1bが紛れ込んでいる可能性があり、楽観視は許されない。

 エムポックスを根絶できていない中で、新型エムポックスが、既存の型に加わり流行を拡大させるリスクが高まっていることが問題だ。