遊郭やソープランドで撮影したセルフポートレートも

──写真集にはご自身のセルフポートレートもあります。

紅子:2年前、声をかけてもらったギャラリーで開催した写真展初日が偶然にも、私の誕生日でした。ちょうど50歳ということもあり、自分自身の写真を1枚だけセルフポートレートとして展示しました。

 そうしたら、その写真に注目してくださる方がたくさんいた。それから、少しずつ自分を撮っていく機会も増えたので、写真集にも入れました。

──この写真はどこで撮影されたのですか?

紅子:昭和ラブホです。今度出す写真集では、遊郭やソープランドの中で撮影したセルフポートレートも入れました。

飛田会館『性感染症検査場跡 医師が待機した階段』(写真:著者提供)飛田会館『性感染症検査場跡 医師が待機した階段』(写真:著者提供)

──最近また閉店した店の写真集を出されたと聞きました。

紅子:『紅子の色街探訪記8 御徒町ソープランド ニュー桃山』という自作の写真集を出しました。こちらもカストリ書房で購入できます。60年の歴史に幕を下ろした「ニュー桃山」というソープランドの店内を3日間にわたって撮影した内容をまとめています。

 2年前に、私はこの店の外観の写真を撮影しました。そうこうするうちにこの店が閉店したと知り、直後にSNSに「(ニュー桃山が)8月末で60年以上の歴史に幕を閉じたそうです」と書いて、写真を一緒にアップしたら、X(旧Twitter)で200万回以上見られ、こんなに反応があるものかと驚きました。

 お店の店長から「桃山が後世に残るような写真を残してくれて本当にありがとうございます」というコメントをいただいたので、店長に「よろしければ中も撮らせていただけませんか?」とXでDMを送ったら快諾していただいて。

 さっそく翌日に行ったら、閉店後5日目で中を片付けている途中でした。ゴミが積み上げられている状況で、「もっと早く来てくれれば良かったのに」と言われ、すごく嬉しかったです。