3.馬養島配備の錆だらけ潜水艦が復活

 ウクライナでの戦争に、北朝鮮が弾薬や兵を送り込んでいる状況の中、約3年ぶりに、馬養島の錆びた潜水艦はどうなっているのか、「さらに錆がひどくなっているか」、あるいは「廃艦になっているのではないか」と思いつつ確認した。

 予想に反して、錆だらけだったものが色が塗り替えられ、整備されているのが明確に分かる。

 2024年11月の映像だと、見えなくなった潜水艦が2隻あるが、係留されている潜水艦はすべて錆は落とされ、世界各国と同じ潜水艦の色に塗り替えられていた(写真4参照)。

 航行できる状態に復帰したものと見てよいだろう。

 数隻見えないのは、他の潜水艦のことから推測すると、改修かあるいは出港していて、その港にはいないと考えられる。

 スクラップになっている様子はない。別の潜水艦基地から移動してきたものでもないだろう。

写真4 綺麗に塗装されたロメオ級潜水艦 2024年11月

出典:グーグルアース2024年11月確認

 では、馬養島の潜水艦が、改修されて動けるようになった理由は何か。

 ウクライナ戦争直前は、錆びたままで係留され、動ける状態にはなかった。それが、ウクライナ戦争中に、見違えるほどにきれいに改修された。

 改修された時期は、ウクライナ戦争中だった。

 このとき何の変化があったのか。それは、ロシア技術者の協力であろう。

 ロシアでは、倉庫に旧式の兵器が置き去りにされていた。戦っているうちに戦車等の兵器が不足し、これら野ざらしにしていた兵器を改修せざるを得なくなった。

 この時、北朝鮮が必要としている旧式のロメオ級潜水艦の部品があることに気付き、その部品と技術者を北朝鮮に派遣して、修理を手伝ったのではないだろうか。

 つまり、北朝鮮から弾薬・兵器・兵士を送る返礼としての技術協力の一つが、既に実施されていたということであろう。