アップルのサプライチェーン支配力に陰り(写真は2024年6月3日撮影、写真:CFoto/アフロ)
2026年3月現在、世界のテクノロジー業界は、年初から続く深刻な部品不足とサプライチェーン(供給網)の再編に直面している。
特に、長年エレクトロニクス供給網の頂点に君臨してきた米アップルの支配力に、生成AIブームが大きな影を落とし始めたという事実は、産業構造の転換を象徴している。
AI企業との「部材争奪戦」に直面
先月初旬にかけて明らかになったのは、アップルが重要部品の確保において、米エヌビディア(NVIDIA)などのAI関連企業に競り負け始めているという現実だ。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、これらAI企業がアップルを上回る価格を提示し、部品確保の競争で同社を圧倒し始めていると報じた。
これまでアップルの厳しい要求に応じることを最優先してきたサプライヤー各社は、今やAI企業という新たな優良顧客を手中に収めている。
供給網における交渉の主導権はサプライヤー側に移りつつあり、アップルに対して大幅な値上げを要求できる状況が生まれている。
実際エヌビディアは2026年に、台湾積体電路製造(TSMC)の最大顧客の座をアップルから奪う公算が大きい。
長年TSMCから製造ラインの優先的な割り当てを受けてきたアップルにとって、この主役交代は、スマートフォン主導からAI演算主導の時代へと覇権が移行しつつあることを示唆している。