メモリー価格高騰が利益率を圧迫
データセンター需要との間で争奪戦となっているメモリーチップの価格高騰だ。
カナダの調査会社テックインサイツなどの試算によれば、2026年末までにDRAMの価格は2023年の水準から4倍に、NANDフラッシュメモリーは3倍以上に跳ね上がると予測されている。
この「メモリー・ショック」の影響は甚大だ。
今秋発売予定の「iPhone 18(仮称)」ベースモデルでは、メモリーの調達コストだけで、前モデル比約57ドルの上昇が見込まれている。
販売価格を維持すれば、アップルの高い利益率が大きく削られることは避けられない状況だ。
プレミアムモデル優先への戦略シフト
コスト増という逆風を受け、アップルは製品投入計画の修正という対抗策を打ち出したようだ。
複数の海外メディアによれば、同社は2026年後半、初の「折り畳み式iPhone」を含む高価格帯のプレミアムモデルの生産・出荷を最優先する方針だという(英ロイター通信の記事)。
一方で、利益率が比較的低い標準モデルの投入は2027年前半まで延期される見通しだ。
この戦略シフトの背景には、限られたリソースを高付加価値製品に集中させ、収益性を確保する狙いがあるとみられる。また、複雑な製造技術を要する新デバイスの生産リスクを最小限に抑える意図もうかがえる。
アップルは直近の決算で、世界の稼働デバイス数が25億台に達し、それに伴うサービス事業が好調であることを強調した。強固なストック型ビジネスのエコシステム(経済圏)が経営の土台を支えている。
だが、物理的な部材コストの急騰は、ブランド力だけで解決できる課題ではない。