1. 潜水艦の半数が錆で動けなかった

 北朝鮮の攻撃型潜水艦(通常型)の数は、ロメオ級潜水艦20~22隻である。ロメオ級潜水艦は、すべて東海岸に配備されている。

 北朝鮮の日本海側、馬養島(マヤンド)という島と北の遮湖(チャホ)に潜水艦基地がある。それぞれの基地に半数ずつ配備されている。

 西海岸側は浅海のために、潜水艦の行動に支障があり、航行が可能な小型潜水艦、特殊潜水艦だけが配備されている。

写真1 馬養島と遮湖の位置(右は左写真の赤枠部分を拡大)

出典:グーグルアースの地図に位置を加えた

 2022年1月以前のグーグルアースの映像によると、馬養島に係留されている潜水艦は、真っ赤に錆びていた(写真1参照)。

 また、グーグルアースの写真をその時期まで継続して見ていて、錆びた状態が長く続いていたことから、動いている形跡は全くなかった。

 馬養島の潜水艦は10隻あり、すべて赤さびで覆われていた。

 写真1の写真だけでも、8隻が真っ赤に錆びているのが見える。2隻が錆びで覆われていた他の映像もあった。

 10隻すべてが錆で覆われていたのである。ほぼ廃艦に近い状態であった。私は、廃艦になっていると見なしていた。

 このため、北朝鮮の通常型潜水艦の半数は、動くことさえもできない状態で、脅威と見なす必要はなかった。

写真2 全艦錆びて茶色に見える馬養島係留のロメオ級潜水艦、2022年1月

出典:グーグルアース2022年1月確認