70は相棒と呼ぶにふさわしい

 なんとか峠を越えて、山形自動車道で一旦天気は安定したものの、東北中央自動車道での米沢付近でも吹雪、さらに東北自動車道に入っても白河周辺でまたも吹雪となった。

栃木県宇都宮市の郊外にて(写真:筆者撮影)

 それでも、四輪駆動(H4)での70での走行は、ドライバーとしての安心感が極めて高く、酒田市から那須高原までの約300kmの旅路での疲れもほどほどで済んだ。

 最終日、天候は晴れだが、各種ニュースでは「ホンダ・日産・三菱自動車による経営統合」が大きな話題となり、移動中に関連する記者会見が都内で開催されるという通知が、3メーカーから筆者にメールで届いた。

 そのため、当初予定を変更して、70で東京駅周辺に向かって進んでいった。

 こうして合計約1200kmの道のりを共にした、ランクル70。

 大きさ感やハンドリングにもすっかり慣れて、まさに相棒といった関係が築けたと感じる。

 トヨタ本社が公表している、70の月販基準台数は400台。生産工場は、トヨタ車体の吉原工場で、価格は480万円だ。

 最後に、トヨタのランドクルーザーに対する商品性への考え方を記しておく。

〜1951年の誕生以来、ランドクルーザーは、このクルマだからこそ行き来できる場所での人の命や暮らしを支えてきた。「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」を思想に開発してきた〜

 世界各地で、70は高い信頼のもと、活躍している。

桃田 健史(ももた・けんじ)
日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。
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