70はなぜ、日本車で稀有な存在か
70は、1984年登場以来、大規模な変更を加えることがないという日本車としては稀有な存在だ。その70が、新たにディーゼルエンジンを搭載したほか、リアサスペンション改良やシートの改良などを施すという大きな変化があった。これに乗って徹底的に走り込まない選択肢は、私にはない。
担当主査も「オフロードだけではなく、オンロードでの乗り心地とハンドリングが大きく向上している」と、70の進化に胸を張っていた。
こうして実現した、新型70による長距離試乗の初日。ビルが立ち並ぶ都心から首都高速から東北自動車道を北上し、福島JCTから東北中央自動車道に入り山形県米沢を目指した。
天候は晴れで、外気温は都心で8度だった。
まず、市街地走行での第一印象は「鼻が相当長いなぁ」という点だ。その上で、最小回転半径は6.3mなので、交差点では一般的なSUVと比べると少し早めにハンドルを切り始めるといった感じになる。
高速道路に入ると、確かに乗り心地が良くなったと感じる。道路のつなぎ目など、路面からの突き上げはタイヤを介して十分に緩和されているし、H2(リア二輪駆動)で走行している際はハンドリングもソフトな感じだ。
直進安定性も悪くない。東北道で横風が強い場所もあったが、クルマ全体が大きく振れることはなかった。
前車追従のACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)ではなく、旧来型の速度固定式のクルーズコントロールのみを装備するが、交通量が少ない高速道路ではこれでもドライバーの疲れを軽減するありがたい存在だと、改めて感じた。
燃費は、車載メーター数値で、市街地での実燃費は1リットルあたり7.5km前後、また時速100kmでの高速巡航で10.2〜10.4km。カタログ値の市街地8.0kmと高速道路11.0kmに近い。
ちなみに、燃料タンク容量は130リットルで、大型乗用車の約2倍だ。
米沢市内に入り、最初は曇り空だったが、夕方前になり一気に吹雪となった。