半導体メーカーの売上高ランキング

 図2に、主な半導体メーカーの四半期の売上高推移を示す。

図2 インテル、サムスン、TSMC、エヌビディア、SKハイニックスの売上高(各社の決算月でプロット)
出所:各社の決算報告のデータを基に筆者作成
(注)インテル、サムスン、TSMCの四半期決算はCY(Calendar Year)、エヌビディアはFY(Fiscal Year)を採用している。そこで本図は、各社の四半期決算の最終月でプロットしている。つまり、インテル、サムスン、TSMCは、3月、6月、9月、12月で四半期の売上高をプロットし、エヌビディアは1月、4月、7月、10月でプロットしている
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 2017年前半までは、インテルが1位だった。ところが2018年のメモリバブルの際に、サムスンがインテルを抜いて初めて世界1位になった。そのメモリバブルは2019年に崩壊し、インテルが首位を奪還した。さらに、2021年から2022年のコロナ特需では、再びサムスンが1位となった。その特需は2023年にかけて終焉し、サムスンおよびインテルに代わって、TSMCが1位に躍り出た。

 そして、2022年11月30日にChatGPTが公開された後、2023年初旬からエヌビディアが急激に売上高を増大させ、TSMC、インテル、サムスンをごぼう抜きにして、圧倒的な1位となった。

 ここで、TSMCとサムスンは、コロナ特需終焉による不況から脱して(エヌビディアほどではないものの)売上高を増大させている。しかし、インテルは不調が続いており、2024年第3四半期(Q3)の売上高が133億ドルしかなく、Q4にはHBMが好調なSKハイニックスに追いつき追い越されそうな状況である。

 それにしても、エヌビディアの快進撃はすさまじい。主な半導体メーカーの売上高の年次推移を見てみると、予測値ではあるがエヌビディアは史上初めて1000億ドルを超える半導体メーカーになることは間違いない(図3)。

図3 主な半導体メーカーの売上高(2024年は予測値)
出所:ガートナー(Gartner)、ICインサイツ(IC Insights)、IHS、電子ジャーナル『半導体データブック』のデータ、メディアテックから提供されたデータ、各社のIRデータ、などを基に筆者作成
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 それでは、なぜ、エヌビディアの売上高が急増したのか。