アゼルバイジャンの首都バクーでことし11月、国連の気候変動会議(COP29)が開かれました。会議では、先進国から途上国への資金支援を2035年までに少なくとも年3000億ドル(約45兆円)と、これまでの3倍に引き上げることが決まりました。世界各国は異常気象による影響を毎年のように受け、気候変動対策は急を要する課題となっていますが、会議では国同士の対立が目立ったのが現実です。気候変動対策は今後、どうなっていくのでしょうか。やさしく解説します。
(西村卓也:フリーランス記者、フロントラインプレス)
そもそも「COP」とは?
この会議は正式には「国連気候変動枠組み条約・第29回締約国会議」といいます。海外では、United Nations Framework Convention on Climate Change(国連気候変動枠組み条約)の略称である「UNFCCC」を用いてUNFCCC Conferenceと称したり、国際条約の締約国会議を意味するConference of the Partiesの略称「COP」と会議の回数を組み合わせ、「COP29」と称したりします。
国際条約に関する締約国会議は、あらゆるテーマで頻繁に行われていますが、気候変動対策は地球全体の最重要課題でもあることから、「COP」と言えば、国連気候変動枠組み条約に基づく締約国会議のことを指すケースが多くなってきました。
この条約は1994年に発効し、1995年から新型コロナの影響で不開催となった2020年を除いて毎年世界各地で開かれています。2024年は29回目で、毎回、各国の代表が地球温暖化による悪影響を防止するための策を話し合っています。
ことし11月11〜24日に開かれたCOP29では、何が焦点になったのでしょうか。最大のポイントは「気候資金」でした。