3.空爆がウクライナ防御ラインに穴開ける
ロシアの戦闘機は、空爆に弾頭重量250キロ~3トンの滑空爆弾を使用している。
重量500 キロの滑空爆弾に100キロの爆薬が装填されているのであれば、155ミリ砲弾の10キロの爆薬に比べて、単純計算でも10倍の破壊力があることになる。
この滑空爆弾がクライナ陣地に命中すると、防御陣地は破壊される。
ウクライナ防御陣地の一部の破壊で、防御ラインに穴が開き、そこを突破されることになる。
ドネツク州における戦いでロシアの攻撃が前進できているのは、地上軍の攻撃前に空爆を実施し、防御陣地を破壊したところに戦力を集中させ、兵士の肉弾戦を継続しているためだ。
ウクライナは、防空兵器の射程外から攻撃(アウトレンジ戦法)するロシアの空爆を止められないでいる。
その空爆の回数は増加している。何とか阻止したいのであるが、その戦闘機を直接撃墜できないために止められないのだ。
ウクライナがロシア機を撃墜するためには、「F-16」戦闘機と長射程の空対空ミサイル「AMRAAM」(射程:C型110キロ、D型180キロ)を使用することが必要だ。
F-16は、数量は多くはないが、逐次供与されることになっている。
それに加えて、ロシアが現在保有する戦闘機全機を撃墜できる量のF-16搭載AMRAAMが必要なのである。
図 ロシア戦闘機、滑空爆弾による空爆とウクライナの対応イメージ