5.今年中に長射程空対空ミサイル供与を

 ウクライナの戦闘を急速に有利に進めさせるために、供与すべきものはロシアの短距離弾道ミサイルを破壊できるATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)とAMRAAMだ。

 これらを来年1月20日のドナルド・トランプ次期大統領が誕生する前に供与すべきだろう。

 この2種類のミサイルをウクライナが求める量を供与すれば、これらの兵器が活躍している間にロシア地上軍の攻勢は止まる。

 ATACMSの使用範囲を撤廃する必要性については、私のJBpressの原稿に何度も主張してきたので、説明を省略する。

 ウクライナが、ロシアの①戦闘機、②弾道ミサイル、③弾薬庫、④予備兵力(待機兵力)を叩き潰せば、ロシアへのダメージは極めて大きい。

 これさえできれば、ロシアに勝ち目はなくなるし、劣勢にならざるを得ないからだ。特に、戦闘機撃墜の影響は極めて大きい。

 ロシアにダメージを与え、攻勢に出られないように、ロシアの主要戦力を潰すことによって、ロシアは交渉のテーブルに着くし、現実的な和平案を受け入れるだろう。

 現実的な交渉をせざるを得なくなるからだ。

 もしも、現状のまま交渉を開始しようとしても、ロシアに少しでも有利に展開しているとプーチン大統領が認識している間は、交渉には応じないだろう。

 この場合は、ロシアにとって100%有利な条件を提示して、その条件を譲ることはない。

 兵士の命の代償として得られた土地を交渉で手放すことはない。

 ロシアは、自国が戦況において有利であれば、有利な案を提示し、それも、強硬な態度を採ってくるだろう。