眼病を患った隆家に待ち受ける大事件とは?
教養のある実資は、いろいろな場面でさまざまな人に頼りにされたようだ。今回の放送であったように、藤原伊周(これちか)の弟・隆家も眼病を患うと、実資に相談している。
病状について、ドラマでは「昨年、狩りに出た折、枝が目にささりまして……。その傷がいまだ癒えず、しばしば痛みます」と隆家自身が説明している。角膜の突き傷から細菌に感染し、化膿してしまったらしい。
史実においては、道長も気にしていたようで、長和2(1013)年1月10日の日記で、「去年の突目により、この何日か籠居している」と隆家の様子について記している。
『小右記』によると、実資は「九州の大宰府に宋の名医がいる」と隆家にアドバイス。ぜひ治療してほしいと隆家は大宰権帥への任官を望み、それが実現することとなる。
これで隆家もゆっくり静養できる。そう思いきや、眼病を治したいがためのこの行動が、結果的に隆家の運命を変えることになる。人生というのは、つくづく分からないものだ。
隆家が大宰府にわたってしばらくすると、九州北部の大宰府管内に謎の武装集団が侵入。のちに「刀伊(とい)の入寇」と呼ばれる大事件が起き、隆家はこれに立ち向かうことになったのだ。
今後の物語の中で、隆家の活躍がどんなふうに描かれるのだろうか。シーンは描かれずに、噂で語られるだけになるかもしれないが、それでも楽しみである。