高い貿易依存度、気になる関税
最初に出てきたのが「輸入品関税」だった。
「米国優先主義」を掲げるトランプ氏は選挙期間中、輸入品に高関税をかけることを表明してきた。
輸入品に高関税をかけるとインフレを引き起こす懸念があることから、「無理なことはできない」との見方もあるが、万一、関税が導入されれば、韓国経済についての打撃は小さくない。
対象製品の対米輸出に影響が出るだけではない。一番心配なのは自動車だ。
対米貿易だけでない。
米国が主に中国製品に対する高関税政策に乗り出せば、中国も報復に出る恐れがある。
韓国にとって、米国と中国は、1位、2位の輸出仕向け先国だ。先の元閣僚は言う。
「韓国のGDPに対する輸出比率は45%。日本の18%とは比べ物にならないほど輸出依存度が高い。貿易が萎縮することは経済全体に対する影響が大きい」
この他の業界別の影響はざっと以下のようになっている。
「半導体=工場建設時の補助金が不透明に。技術輸出に対する統制強化」
「自動車=輸入関税引き上げの可能性。EV補助金縮小、脱中国サプライチェーン構築強化」
「EVバッテリー=IRA(インフレ抑制法)に基づく生産、消費へのインセンティブ廃止。世界的な需要減速、投資萎縮」
韓国のここ数年の主力成長産業は、半導体、自動車、EVバッテリーだ。どれも影響は避けられない恐れがある。