創価大は2区吉田響と8区野沢が快走
出雲駅伝で留学生を欠きながら過去最高4位に入った創価大は今回、「優勝争いをしながらの3位以上」(榎木和貴監督)を目指していた。
1区の小暮栄輝(4年)がトップと2秒差の3位で発進すると、2区の吉田響(4年)が出雲に続いて爆走。トップに立つことはできなかったが、3位以下に41秒以上のリードを奪った。
しかし、3区石丸惇那(3年)が青学大のルーキー折田壮太(1年)についていけず、逆に國學院大に追い上げられる。4区の山口翔輝(1年)は区間8位と踏ん張るも、城西大と國學院大にかわされて4位に転落した。
5区のスティーブン・ムチーニ(2年)は出雲駅伝の2日前に転倒した影響もあり、本来の動きではなかった。それでも区間2位の走りで、城西大を逆転。再び3位以内に押し上げた。
7区の主将・吉田凌(4年)は駒大・篠原倖太朗(4年)に抜かれた後、脱水症状に苦しみ、区間12位。駒大の背中は2分14秒と遠く、反対に5位の城西大が33秒差と迫っていた。最終8区を任された野沢悠真(3年)は“4位キープ”を託されたなかで、19.7kmを57分48秒の区間2位で走破。過去最高となる4位でゴールに飛び込んだ。
優勝争いという観点でいうと、2区吉田響でリードを奪えず、5区ムチーニでトップに立てなかったのが“敗因”になるだろう。
榎木監督は、「1区で青学大を5秒ぐらい引き離せていれば、響が単独で逃げられたと思うんですけど、タイミングが少し悪かったですね」と話しており、序盤は青学大の巧みな戦略に苦しめられるかたちになった。また、「3区の石丸で流れが切れてしまった。山口は攻めた走りをしましたが、ムチーニは練習が途切れたことと、暑さに苦しめられた部分がありました」と中盤区間で伸びなかったことを悔やんでいた。
一方で吉田響が平坦区間でも快走を連発したことと、アンカー野沢の活躍で、「オーダーの幅が広がり、これまでと違う攻め方もできる。往路優勝を確実にできるような区間配置を考えていきたいと思います」と榎木監督。箱根駅伝では前回の区間配置にこだわらずに“主導権”を握るレース戦略を練っていくようだ。
箱根駅伝まで残り2カ月弱。総合優勝を目指す大学はチームを“最高の状態”に仕上げていく。