駒大は2区終了時17位からの準優勝

 駒大は出雲駅伝に続いての2位。アンカー決戦で敗れた出雲と異なり、全日本のゴール後は“充実感”がみなぎっていた。

 1区の島子公佑(2年)が國學院大と5秒差につけるも、2区の桑田駿介(1年)が苦戦する。区間17位に沈み、関東勢最下位の16位に転落。トップ青学大と2分23秒、國學院大には1分29秒差をつけられた。

 しかし、この劣勢から盛り返す。まずは3区の伊藤蒼唯(3年)で8位に浮上。4区谷中晴(1年)も区間3位と好走して、國學院大との差を10秒縮めた。5区と6区は國學院大が上回るも、終盤のロング区間が衝撃的だった。

 7区の篠原倖太朗(4年)は区間歴代3位、アンカーの山川拓馬(3年)は日本人歴代2位。追い風が吹いていたとはいえ、ハイレベルの連続区間賞で、最後は優勝した國學院大に28秒差まで急接近した。

 怒涛の追い上げで伊勢路を沸かせた駒大。“敗因”を挙げるとすれば、2区の失速になるだろう。桑田は1年生ながら出雲1区を6位と好走した実力者だが、今回は粘ることができなかった。

「桑田は夏合宿でも篠原と同じ練習をやれたんですけど、篠原ほどの地力がないので、余裕度がなかった。そのダメージが出てしまったのかな」と藤田監督。結果的には前回2区で区間新を打ち立てた佐藤圭汰(3年)の不在が痛かった。

 それでも佐藤を欠いて、2区終了時16位からの準優勝。藤田監督の言葉には力がみなぎっていた。

「3区の伊藤でゲームチェンジできて、初めて走る1・2年生がつないで、7、8区でドカンといく。そのつながりがまさに駅伝です。篠原は単独であれだけ走れたのはこれまでなかったですし、山川はとんでもない走りでした。箱根駅伝に近い距離の2区間で他大学を圧倒したわけなので、そこはうちのストロングポイントになると思います。篠原と山川がいて、圭汰が戻ってきたら、これは強みになりますよ」

 前回の箱根は篠原が1区(1位)、佐藤が3区(2位)、山川が4区(6位)を担ったが、次の正月決戦も“トリプルエース”の走りがポイントになりそうだ。「今日の山川の走りを見たら2区をやらせたいですけど、篠原も駒大のエースとして2区をやりたいはず。ただ箱根は山があるので、適材適所に選手を配置していきたいです」と藤田監督。どんなオーダーで勝負に出るのか。