求心力を高める絶対条件
その意味も含めて、稲盛さんは、「リーダーが誰よりも苦労している姿ほど部下の共感を得るものはない」と語ったことがあります。いくらきれいごとを言っても、自分の上司が、部下の面倒も見ず、苦労を避け、少しでも楽をしようとしていれば、求心力どころか共感も得ることもできないのです。
部下のために自己犠牲を払えること、また部下以上の苦労を厭わないことを含めて、「心が高まってなければ、人心はつかめない」とも教えています。
そして、自己犠牲が払え、誰よりも苦労ができるためには、「集団を守ろうという素晴らしい愛の心が必要」なのであり、結局は「尊敬されない人はリーダーになれない」のです。それゆえ、尊敬されるような人間性を持つことが、求心力を高めるための絶対条件になるのです(以下のまとめ参照)。
そのような利他的な哲学を持ち、求心力を身につけることによって初めて、「リーダーは集団に命を吹き込み、全員のベクトルを合わせ、目標に邁進させることができるようになる」と稲盛さんは教えています。(続く)