2020年の大統領選では積極的に夫の応援演説をしていたメラニア夫人だが・・・(写真は2020年11月2日ノースカロライナ州で、写真:AP/アフロ)

激戦州で勢い増すハリスだが・・・

 米大統領選の投開票まで1か月を切った。米市民を悩ませてきた物価高は和らぎ、賃上げ幅はインフレ率を上回った。

 雇用統計によると、就業者数は市場の予想を大幅に超過し、失業率は4.1%と改善した。

 ただ、中東情勢が緊迫する中でガソリン価格は高止まり、市民の生活が楽になったという実感は薄い。人々は支出見直しで当座をしのいでいる。

 勝敗を左右する中間層は現状に強い不満を抱いている。

 民主党のカマラ・ハリス副大統領と、共和党のドナルド・トランプ前大統領の両候補は、同層、特に激戦州の無党派浮動票に照準を合わせた具体的な経済政策を打ち出して票獲得に奔走している。

 10月2日段階でのNPR(全米公共ラジオ)など3つ各種世論調査では、全米ではハリス氏2勝1敗(1~2ポイント差)、激戦州のうち「ブルー・ウォール」*1で2勝1敗(1~4ポイント差)、南部ノースカロライナ州では互角、西部アリゾナ州ではハリス氏が2ポイントリードしている。

 ハリス氏がやや有利でラストスパートに入った感じだ。

*1=ブルー・ウォール(民主党の壁)とはペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガンの3州を指し、民主党大統領候補がこの3州を制すれば、南部州で全敗しても当選に必要な選挙人数は確保できるとされている。

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