逮捕されたライアン・ラウス容疑者(9月15日ビデオ画像より、提供:Martin County Sheriff's Office/ロイター/アフロ)

容疑者はウクライナや台湾への義勇軍集めも

 米南部フロリダ州の自らが所有するゴルフ場(5番ホールのグリーン)で9月15日午後1時半(日本時間16日午前2時半)頃、プレー中だったドナルド・トランプ前大統領を450メートル離れた藪の中から狙っていた男をシークレットサービスが見つけ、発砲。

 狙撃者は車で逃走したが、その後、現場から70キロ離れた路上で拘束された。

 トランプ氏は無事だった。

 容疑者が現場に置き去りにしていったバックパックなどを捜査当局が押収。その中には照準器付きの「AK47」自動小銃のほか、身体などに装着して撮影が可能なウエアラブルカメラも見つかった

 トランプ氏は7月13日にもペンシルベニア州で遊説中に射撃され、右耳に軽傷を負っており、今回はそれ以来65日ぶり。

 前回と違い今回は容疑者が射殺されておらず、米連邦捜査局(FBI)は動機など暗殺の背景を徹底調査することになる。

 9月15日の未遂事件の容疑者について、これまでに判明したことは次の通りだ。

 容疑者は、ライアン・ウエスレイ・ラウス(58)。ノースカロライナ州グリーンボロ出身。中小建築業経営者で、自称「外交問題専門家」。

 また2002年には、ラウス容疑者は自動ライフル銃や大量破壊可能な武器を保持していたとして逮捕されたことがある。

 地元の高校からノースカロライナ州立農工大学に進み卒業。仕事の傍ら政治外交に強い関心を示し、2018年以降、各種選挙では民主党候補に小口だが、19回も政治資金を献金している。

 その中には、2018年の上院議員選挙に立候補したベト・オルーク下院議員(テキサス州選出)や2020年の大統領選予備選に出馬したリベラル派のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)などがいる。

 まさに根っからの民主党リベラル派支持者だった。

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