トランプの移民と中絶政策に真っ向勝負

 その中でトランプ氏の移民政策や反人工中絶政策に真っ向から反対する姿勢を打ち出したのだ。

 メラニアさんのスタンスは、ハリス氏の見解とほぼ同じ。「敵に塩を送った」ようなものだった。メラニアさんは、こう書いている。

「移民問題については、私は夫の考えとは異なる。私自身、外国生まれであり、米国に帰化した移民だからだ」

「私と夫の間にはしばしば意見の食い違いが生じている。でも私はそれを公にはせず、プラベートに自分の考えを伝えてきたつもりだ」

私は常に、人間はまず自分のことは自分ですることが死活的に重要だと思ってきた」

「私たちにはみな自らの生命を楽しむ権利がある。人間はその基本的な権利を持って生まれてきた。これは極めて当たり前な概念である」

「このコモンセンスは、女性が自分の体と健康についての決定を下すという自然な権利にも適用される」

「母体が生命を危険にさらされたり、レイプによる妊娠、胎児が先天的欠損症(出生時欠損)の場合には、女性は人工中絶を選択する権利を当然与えられるべきだ」

「個人の自由(Individual liberty)、個々の人間の自由(Personal freedom)について論ずるとき、そこには妥協も譲歩もない」

theguardian.com/melania-trump-memoir-defends-abortion-rights

 トランプ氏と共和党は不法移民全員の国外追放を主張、また人工中絶ではトランプ氏は連邦政府による「全面禁止」を唱えていたが、選挙戦の過程で「各州政府に判断を委ねる」と軌道修正している。

 トランプ氏はメラニアさんの著述について、目下一切のコメントをしていない。

 一方、ハリス陣営のスポークスパーソンは直ちにこう述べている。

「米国中の女性たちは、メラニアさんの夫が彼女の考えに真っ向から反対していることに悲しんでいる」

「全米の女性3人に1人がトランプ氏の人工中絶禁止法でその健康と自由と生命を脅かされている」