小泉元首相が教えてくれた「政治の真髄」
私が当選間もない頃、小泉純一郎さんがたまにふらっと若手の集まりにきてくれ、政治家の心得をざっくばらんに話してくれた。
「戦国時代だったら権力に歯向かったら一族郎党皆殺しだった。今は命はとられない。いい時代になったよ。君らも権力の頂点を目指せ!」
「政界には三つの坂がある。上り坂、下り坂、まさか、だ。でもほとんどはまさかだよ」
「君らの中で僕が総理になれると思っていた人はいるか? みんな橋龍(編集部注:故橋本龍太郎)さんが勝って第二次政権だと言ってたよ。政局に強いとか政局観があるとか自称している人たちばかりだった。政治家なんて今起こったことをさも自分が予想していたように思いこむのが得意なだけだよ」
「政局観なんて誰もないんだよ。だからやったもん勝ちだ。後付けでなんとでもいえる。自分たちは違う予想に基づいて違う人を押していて、済んだらそれも忘れている」
確かにそうだった。その後、小泉純一郎さんが禅譲したサラブレッド中のサラブレッドの安倍さん(の政権)があんなに短期で終わるなんて誰が想像できただろうか?
そしてその後、第二次政権で安倍さんが政権奪還して9年以上も首相をやり6回も国政選挙で勝ち続けるなんて、予想した人はいるだろうか。
その後、菅さんが首相になることもそうだろう。
その次の岸田さんも。そして今回の石破さんも。
海外で言えば、トランプ政権もそうだし、バイデン政権もそうだ。次もしかり。
今回も最初は小泉進次郎さんの圧勝だと思っていた。数週間で流れは変わる。
1カ月以内に解散総選挙があるとしても、その1カ月で流れは変わる可能性はある。用心深い石破さんなので十分それも計算に入れているだろう。