裏金議員の処遇に国民は納得するか
そして国民負担の増加や物価高に苦しむ今の有権者による権力監視は手厳しい。
テクノロジーのおかげであっという間に批判や評論は共有され、世論の移り変わりは私が現役の時に比べたらかなり激しい。
総理自身がやりたいことと党内融和のための利害やポストの調整、そして選挙前に世論の支持をつなぎとめるための国民への説明は、いままでにないほどバランスをとるのが難しくなっている。石破さんの忍耐力や演説力をもってしても容易ではないだろう。
自身の政策実行と党内融和と国民支持のバランスを体現するのが、党人事、閣僚人事、官邸人事だろうが、今のところそれらの第一印象は私などでは到底理解が難しい。きっと石破さんなりの深謀遠慮があっての話であろう。
誰が総理総裁になっても最大の関門が人事だ。その難しさはご本人しかわからない。誰にとっても完璧な人事は誰にもできない。
加えて、選挙での裏金議員の処遇が最大の焦点であろう。それが断行できれば国民の支持は得られると思うが、党内融和のためには失うものも大きい。
少なくとも足して2で割るようなことは国民から見たら零点と同じだし、どちらに決めても党内と国民への説明は両立が厳しい。このあたりもこれからだろう。
知られざる石破流「人たらし」の術
「彼とは飲むどころか話したこともない」「彼は鳥取でも防衛をテーマに演説しているのか」と過去にやや批判的に私に話していた議員たちが今回は推薦人や協力者になっている。
本来は内向的な人なので面倒見が悪いと言われるが、実は目的のためには賢明に努力を積み重ね人間関係を改善していくのが印象的だ。
例えば、参院のドンと言われた故青木幹夫さん。石破さんは参院(山陰)を束ねて衆院や内閣にも大きな影響を持っていた青木さんのやり方を気に食わなかったようだ。