堀田外交を総括する

 堀田正睦は一貫した開国志向を貫き、積極的開国論・未来攘夷の推進者として幕末外交を牽引した。日本を鎖国から開国に転換させた、最大の功労者としても、過言ではないのだ。

 堀田がいなければ、ハリスの出府は叶わず、通商条約の調印に至らなかった可能性が高い。さらに、イギリスによる最悪な不平等条約を押しつけられ、場合によっては植民地化の危険性も否定できず、日本の近代は全く違った可能性もあったのだ。

 鎖国から開国にソフトランディングしたことで、日本を植民地化の危機から救ったのは、堀田にもかかわらず、現在のその評価は不当に低いレベルにあるのではないか。堀田の顕彰と幕末外交史の見直しは急務であろう。