共働き世帯などでは負担が大きいとしてPTAは敬遠されている(写真:takasu/Shutterstock)

PTAがにわかに注目を集めています。きっかけは9月初旬、岡山県内のPTAが加盟する「岡山県PTA連合会」が2024年度末での解散を決めたことでした。都道府県レベルでのPTA組織の解散は全国で初めてです。70年超の歴史を持つ日本のPTAに何が起きているのでしょうか。現状と先行きをやさしく解説します。

フロントラインプレス

岡山県PTA連合会が解散

 岡山県PTA連合会のホームページに9月2日、「解散のお知らせ」と題するPDFの文書が掲載されました。本文は430文字ほど。その短い文章にPTA史に残る内容が記載されていたのです。

「当連合会は昭和23年(1948年)の設立以来、皆様からのご厚情を頂きながら、今日まで子どもたちの健全育成を願い、様々な事業を続けてまいりましたが、令和7年3月末日をもって解散する事を決定致しました。理由は会員の大幅な減少に歯止めをかける事が出来ず、令和7年度以降、県P連としての活動が継続できないと判断した為です」

 この解散は全国紙やNHKニュースでも報道され、SNSでも一時、「PTA」がトレンドワードになったほどです。公立の小中学校に通っていた人は、ほとんどPTAと何らかの関わりを持っていたと思われます。保護者となってからは、PTAの役員を無理やりやらされたり、疑問を持ちながら会費を払ったりした人も少なくないでしょう。

 では、PTAとは、そもそもどういう組織なのでしょうか。