セコマ代表取締役社長の赤尾洋昭氏(撮影:川村勲)

 本州でコンビニは大手3社の寡占状態にあるが、北海道でのシェアトップは1092店を展開する「セイコーマート」だ。JCSI日本生産性本部による顧客満足度指数調査(コンビニ部門)では8年連続1位になるなど、顧客からの支持も高い。地域最強のコンビニチェーンはどのように築き上げられたのか。セイコーマートを運営するセコマの赤尾洋昭社長に強さの秘密を聞いた。(前編/全2回)

本稿は「Japan Innovation Review」が過去に掲載した人気記事の再配信です。(初出:2024年7月17日)※内容は掲載当時のもの

店の半分を占める「オリジナル商品」

──JCSI顧客満足度調査で「セイコーマート」は8年連続首位を独走しています。大手3社を寄せ付けない強さの秘密は、どこにあるのでしょう。

赤尾 洋昭/セコマ代表取締役社長

1976年10月27日生まれ。一橋大学 商学部 卒業。1999年4月マツダ入社。2004年5月、セイコーマート(現:セコマ)入社。2020年4月、セコマ代表取締役社長に就任(現職)

赤尾洋昭氏(以下敬称略)コアなファンの方から高い評価をいただいているからではないでしょうか。

 セイコーマートでは店内で調理する惣菜商品の「HOT CHEF(ホットシェフ)」や自社製造するPB(プライベートブランド)の商品など、他チェーンでは販売していない商品を多数取りそろえています。

 セイコーマートの1店あたりの平均アイテム数は約3800ですが、タバコを除いた売上で、オリジナル商品が占める割合は約50%。「セコマにしか置いていない牛乳が好き」「店内で卵をとじたホットシェフのカツ丼が好き」と、目的買いをするお客さまの支持を得ているのだと思います。

(ホットシェフの商品棚)

──セコマは、まだ「コンビニエンスストア」という業態がない1971年に創業しました。