この夏の小売総額を都市別にみると、北京、上海、広州といった1級都市での消費鈍化が目立っているのとは対照的に、瀋陽のような2級都市や寧徳のような3級都市、内陸の武漢、成都などは伸びている。1級都市では不動産不況がもたらす影響がより大きいと考えられる。写真:AP/アフロ

 中国の国慶節の連休(2024年10月1日~10月7日)が終わった。

 今年は日本が一番行きたい海外旅行先となり、日本の観光スポットに多くの中国人観光客が殺到する様子を見たという読者も多かったことだろう。

 多くの中国人にとって旅行シーズンといえば、国慶節(2024年は10月1日)や春節(2025年は1月29日)の連休に加え、8月になり、特に学校を通っている子供を持つ場合、子供の夏休みに合わせてどこかへ旅行する家庭が多い。

 実は、筆者もこの夏、実家がある瀋陽から北京や上海や杭州、寧波へ旅行に行った。5年前の夏にも中国国内を旅したが、そのときと比べ、世界情勢も中国の経済社会も大きく変わっている。その影響はあるのか。

 今回は「この夏に筆者が実感した中国消費市場の状況」をお伝えしたい。