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 中国には昔から「顧客就是上帝(お客さまは神様である)」という言い方があるが、現実は必ずしも「有言実行」ではなかった。特に2000年代初頭は「百貨店で洋服を試着したのに買わないと店員さんに白い目で見られる」というのはよくある話だった。当時は「相当のお金を出さなければ良いサービスを受けられない」というのが一般人の認識であった。

 しかし、現在では中国の経済発展や企業の成長および競争の激化に伴い、どんな企業でも顧客をもてなす工夫をする必要が出てきている。消費の仕方が物が足りない時代の「生存のための消費」から、「より良い商品・サービスを追い求める消費」に変わっているためだ。

 そうした中、時代の変化やその時のビジネスの常識にとらわれず、サービスの品質の高さで勝負をかけて成長し続けてきた企業がある。今回紹介する飲食・小売業界の異端児ともいえる中国企業2社の取り組みは日本企業が中国でビジネスを行う上でのヒントになるはずだ。