画像:Japan Innovation Review編集部

 今や米国内の6割を超える大手企業が専門チームを持つほど標準化している協業プロセス「RevOps(レベニューオペレーション)」。マーケティングや営業、カスタマーサクセスなど企業のレベニュー組織のプロセス・データを、システムで統合・最適化することで持続的な収益成長を目指す概念を指すが、日本では依然として属人的管理中心のレベニュー組織が多く見られる。本連載では『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識(MarkeZine BOOKS)』(川上エリカ、丸井達郎、廣崎依久著/翔泳社)から、内容の一部を抜粋・再編集。これからの企業の生産性向上に欠かせないRevOpsの役割について解説する。

 第4回では、国内企業でも見かけるようになってきた役職、CRO(Chief Revenue Officer)に注目。企業の収益を最大化させるレベニュー組織の統括責任者に求められる役割とその重要性を考える。

収益最大化において重要性を増すCROの役割

 企業の収益を最大化するために設計された部門やチームの集合体であるレベニュー組織において、これらを統括するCROの役割の重要性はますます高まっています。

 ただし、CROは新しい役職ではなく、2012年にフォーブスが「CEOの新たな秘密兵器」と位置づけて以降、成長中の役職です。

 RevOpsはレベニュー組織を支えるオペレーション部門であり、CROは下図(図2-1)のようにRevOpsチームを含めてレベニュー組織(マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスなど)全体を統括し、収益成長を推進する責任を持ちます。

 マッキンゼーによると CROのような役割を持つFORTUNE100の企業は、同業他社よりも1.8倍高い収益成長率を示しているといわれています。

※ 出所:マッキンゼー “A bigger, bolder vision: How CROs are propelling growth from the C-suite” https://www.mckinsey.com/capabilities/growth-marketing-and-sales/our-insights/ a-bigger-bolder-vision-how-cros-are-propelling-growth-from-the-c-suite