・顧客ライフサイクルの統合管理
CROは、マーケティング、営業、カスタマーサクセスの各部門を統括し、リード獲得から営業の受注、受注後の顧客満足度の向上と継続まで顧客のライフサイクル全体をマネジメントし、収益を最大化します。マーケティングと営業の連携というのは「言うは易く行うは難し」です。従来の部門別プロセスは統合に対して抵抗も多いため、そのギャップを埋めるための役割も担います。
それぞれの部門が独立して活動するのではなく、共通の目標に向かって協力し合うことで、シナジー効果を生み出し、収益を最大化できます。
具体的には、リードのフォローアップを迅速かつ効果的にすることでリードから契約への転換率の向上を実現したり、マーケティングキャンペーンのROIを明確にすることでより効果的なマーケティング戦略を立案したりできます。各部門がデータにもとづいた戦略を立案し実行することで、取り組みの効果が明確になり、収益最大化が実現できるのです。
・フォーキャスト(業績予測)と目標設定
過去のデータや市場の動向をもとにして、将来の収益や受注を予測し、現実的かつ挑戦的な目標を設定します。これには、マーケティングキャンペーンの効果測定、営業のパイプラインマネジメント、カスタマーサクセスの指標分析などが含まれます。
正確なフォーキャストを行うことで、企業全体のリソース配分や投資判断が適切に行えるようになり、収益性の向上に寄与します。第8章のインタビューでも営業パフォーマンス管理ソリューションのリーダー企業であるXactly(エグザクトリー)のCEOアーナブ・ミシュラ氏は、フォーキャストはビジネスの健全性を把握するのに最も重要なことの1つだと話しています。