
日本食ブームが世界で広がる中、米国進出を目指す日本企業は商習慣や規制など多くの課題に直面する。本連載では『日本企業が成功するための米国食農ビジネスのすべて 商流の構築からブランディングまで』(石塚弘記、關優作、田中健太郎著/翔泳社)から、内容の一部を抜粋・再編集。進出に成功した日本企業や参入を支援する企業へのインタビューを中心に、巨大市場攻略のポイントを明らかにする。
今回は、はくばくの米国進出を支援したキーパーソンが、同社の乾麺をヒットさせた戦略を明かすとともに、日米における商習慣や消費者意識の違いを解説する。
「塩不使用」「縦置きの箱」…乾麺を全米でヒットさせた戦略
全米でヒットしたHakubakuの米国進出を支援したN.H.B. Quest。
ヒットした理由のほか、日米の商習慣の違いによって生じる落とし穴、米国進出にあたり注意すべきことなどについて聞きました。

N.H.B. Questは、1998年に設立しました。玄米で作ったオーガニックのサプリメント「ソルブレ」を自社ブランドとして販売開始したことが始まりです。
その後、人づてにHakubakuの社長から「米系の小売に販売していきたいのだけど、どうやれば良いか分からないので教えてほしい」と依頼を受けて、同社の商品を売り始めたのが、今のビジネスモデルになったきっかけです。
Hakubakuがうまくいき始めたので、右から左から「うちの商品もお願いします」と依頼があり、だんだんと取扱商品が増えていきました。
Questのビジネスモデルとしては、「米系小売への商流構築を当地で本気でお手伝いする駐在員代わり」という捉え方が一番分かりやすいと思います。