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 日本食ブームが世界で広がる中、米国進出を目指す日本企業は商習慣や規制など多くの課題に直面する。本連載では『日本企業が成功するための米国食農ビジネスのすべて 商流の構築からブランディングまで』(石塚弘記、關優作、田中健太郎著/翔泳社)から、内容の一部を抜粋・再編集。進出に成功した日本企業や参入を支援する企業へのインタビューを中心に、巨大市場攻略のポイントを明らかにする。

 今回は、前回に引き続きサンクゼールの副社長・久世直樹氏が、米国市場での新商品開発や販路開拓のコツを詳しく語る。

いまや全売上の9割が米国向け――
自社セールスから始まった市場開拓

「ザ・ジャパニーズ・グルメ・ストア」を掲げるサンクゼール。いまや売上の9割を米国市場が占めます。

 飛び込み営業と戦略的なM&A、そして危機下で得られた強い結びつきによって、市場を開拓していった道のりについて聞きました。

 

■ 顧客セグメントに合わせて戦略を立てる

 米国の消費者と言っても、本当に多くの顧客セグメントがあります。

 日本であれば、所得水準や性別、年齢などになりますが、米国には多様性溢れる、異なるルーツを持った人たちが世界中から集まっています。

 なので、どのセグメントの顧客層にターゲットを定めるのかが重要だと考えています。