写真提供:共同通信社

 生成AIの普及により、誰もが手軽にコンテンツを生み出せる時代になった。一方で、「なぜこの企画なのか」「どういえば伝わるのか」がますます問われている。『逃走中』や「伯方の塩」キャンペーンなどの企画を手掛けた著者が著した『コンテンツ化』(高瀬敦也著/クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋・再編集。多くの人の心に刺さり、共感を生むコンテンツの作り方を探る。人気を維持し、かつ成長するコンテンツの本質とは。

変えるし、変えない

コンテンツ化』(クロスメディア・パブリッシング)

 コンテンツを世に出すと、想定していた反応と違ったり、なかなか広がらなかったりすることがあります。実際、私が相談を受ける多くのケースも、「昔は売れていたが最近売れない」「以前は人気があったが勢いが落ちてきた」といった「広がりの壁」についてです。

 広告を打ったり、パッケージを変えたり、さまざまな手を尽くしている。けれども、効果が出ないとき、「なぜ、その方法を選んだのか?」を掘り下げていくと、本来の目的と、打ち手の方向がズレているケースも少なくありません。

 私は、こういったとき、「なぜ?」を何度も投げかけます。「なぜその媒体を?」「なぜこのタイミングで?」「なぜこのデザインを?」と。相手にとってはしつこく感じられるかもしれませんが、私はその商品やサービスの一番の「外側」にいる存在であり、そのコンテンツのファンでもなければ、愛用者でもない。つまり、これは「ユーザー側の感覚」でもあるのです。

 多くの場合、「最初の目的」と「後からとられた施策」が別の目的で動いてしまっていることがわかります。人気が出てきたコンテンツが、売上を伸ばすことばかり考えた施策によって、本来の魅力を失っていくことも少なくありません。