コンテンツはコンテンツから生まれる。「ゼロイチ」ではない
Thomas Bethge / Shutterstock.com

 生成AIの普及により、誰もが手軽にコンテンツを生み出せる時代になった。一方で、「なぜこの企画なのか」「どういえば伝わるのか」がますます問われている。『逃走中』や「伯方の塩」キャンペーンなどの企画を手掛けた著者が著した『コンテンツ化』(高瀬敦也著/クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋・再編集。多くの人の心に刺さり、共感を生むコンテンツの作り方を探る。成功する企画の出発点となる「インプット」の考え方をひもとく。

インプットは共通言語をつくるため

コンテンツ化』(クロスメディア・パブリッシング)

 インプットの目的というと、よく「アイデアの種を蓄えること」と説明されます。それも確かに重要なのですが、もう一つ大きな意味があります。それは「イメージを共有するため」です。

 企画やコンテンツづくりには必ず「誰かと話をすること」が伴います。そのとき、アイデアを具体的に伝えるには「たとえば」という言葉を使わずにはいられません。

「『ドラゴンボール』のあのときのフリーザのセリフみたいな」とか、「『スター・ウォーズ』の父子の関係性みたいな」とか、「『ドラクエ』の塔で鍵を見つけるような構造で」とか、「DJおじさんが“ギガ盛り牛だらけ丼”を食べるときの異様なかきこみ方で」といった具合に、「たとえ」を使って説明する場面はとても多いものです。

 この「たとえば〜」という言い回しが成立するためには、その作品を相手が知っている必要があります。つまり、共通言語としてのコンテンツをどれだけ知っているかが、企画力や会議の推進力を大きく左右するのです。「企画力」や「コンテンツ開発力」について質問されたとき、私は「当たっているコンテンツはできるだけ目を通しておいた方がいいですよ」と答えるようにしています。

 もちろんヒットしているのは映画やゲームだけではありません。たとえば、タイミーやLUUPのようなサービスが人気だと聞いたら、とりあえず一度は体験してみること。行列ができているドーナツ店があれば、なぜ人が集まっているのか気にすること。