
2025年に4カ年の新中期経営計画がスタートし、経営改革に踏み出したキユーピー。マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料を中心に強いブランド力を築いてきた同社だが、そのブランドの強さが、近年のマーケティング活動に停滞をもたらしていたと、執行役員マーケティング本部長の中島健氏は振り返る。その状況を打破すべく、業務用・家庭用に分かれていたマーケティング組織を再編し、データを駆使した分析の高度化に取り組んでいる。マーケティング変革の今を聞いた。
長年の成功体験がマーケティング力を鈍らせた
──キユーピーはマーケティング活動の見直しと強化に取り組んでいます。マーケティングにおける課題は何だったのでしょうか。
中島健氏(以下・敬称略) おかげさまで当社のマヨネーズやドレッシングなどの商品は、長年にわたってお客さまにご支持をいただいています。それにより、いい商品を作り、それをしっかり配荷(商品を店舗の棚に並べること)すれば、売り上げや利益の成長はある意味約束されていた時代が続いてきました。客観的に見て、他の消費財メーカーと比べても、当社の「勝ちパターン」は長く続いてきたと認識しています。
キユーピー 執行役員マーケティング本部長の中島健氏(撮影:榊水麗)
しかしこのことは、当社が「ものを作って配荷する」こと以外の成功体験を持たない集団になってしまったことを意味します。他社が10年以上前から、顧客の視点を採り入れ、マーケティングに真剣に取り組んできた間、当社は出遅れてしまったと言わざるを得ません。
そして、いよいよこの勝ちパターンは通用しなくなっています。お客さまが求めているものは何か、そこを起点にした仮説と検証を繰り返すプロセスを採らないと、売れる商品にならなくなっています。
──キユーピーという絶対的なブランドへの信頼が揺らいできたということでしょうか。






